六地蔵

お地蔵さまは仏教の世界では菩薩(ぼさつ)さまで、衆生にいろいろなご利益を与えて下さいますが、中でも死後(来世)に受ける利益のことを「当益(とうやく)」と呼び、死後の私たちを守って下さると言います。 仏教では、人が死ぬと四十九日の間あの世で裁判を受け、生前の行いの善悪によって次の生まれ変わる世界が決ります。その裁判官は十王という十人の王たちで、その中でも有名なのが閻魔大王です。死後に赴く次の世は、上から「天」「人間」「阿修羅」「畜生」「餓鬼」「地獄」の六つあり、これを六道と言います。人はこの六道を限り無くくり返して生まれ変わり、また死んでもまた生まれ変わる、迷いの世界をさまよい続けるもので、そのことを六道輪廻と言います。 「天」は「天国」の意味とは違い、六道の中では一番平安な世界ですが、いずれまた生まれ変わって六道をさまよう境地に違いはありません。仏教では、悟りを開いて解脱すると輪廻から逃れられると教えます。 お地蔵さまは、そんな衆生の来世を救うために、六道の六つの道に六体の地蔵像となって出向き、死後の人々を救って下さる、そのためにお地蔵さまは「六地蔵」として祀られていることが多いのです。 六道のなかでも地獄は人々から「怖ろしい恐怖の世界」と恐れられているのですが、地獄に落ちた人にはお地蔵さまが「抜苦与楽(地獄の苦しみを抜いて楽を与える)」や「代受苦(地獄の苦しみを人に代って受けて下さる)」というご利益を与えるとの教えから信仰を集めています。 墓地の入口によく六地蔵が祀られているのには、そんないわれがあります。 豊中の六地蔵の例 熊野町4-8 迎え地蔵 [![豊中のお地蔵さま 熊野町size320](images/oz00216/T_00216480_000001.jpg)](images/oz00216/T_00216480_000001.jpg) 本町5-3 金禅寺境内 [![豊中のお地蔵さま 本町size320](images/oz00213/T_00213390_050001.jpg)](images/oz00213/T_00213390_050001.jpg)

掲載日: 2024-07-02 (C137)