愛宕大権現(あたごだいごんげん)

豊中のお地蔵さまの中に、愛宕(あたご)さんと関係の深いお地蔵さまがいくつかあります 愛宕さんとは京都の愛宕山にある愛宕神社のことで、火除けの神様として有名ですが、お地蔵さまの神様でもあります その愛宕山のお札を祀っているお地蔵さまの1つが服部寿町の「愛宕大権現(あたごだいごんげん)」です 2024年8月24日地蔵盆の日に、お参りさせていただきました 地蔵堂は提灯で飾り付けされています [![愛宕大権現の地蔵盆size320](images/oz00216/T_00216610_020001.jpg)](images/oz00216/T_00216610_020001.jpg) お堂に「愛宕大権現」の立派な額が掲げられています [![愛宕大権現の地蔵盆size320](images/oz00216/T_00216610_000001.jpg)](images/oz00216/T_00216610_000001.jpg) お地蔵さまは20センチほどの小さな像ですが、とても端正なお姿です [![愛宕大権現の地蔵盆size320](images/oz00216/T_00216610_010001.jpg)](images/oz00216/T_00216610_010001.jpg) 隣の常楽寺の住職が読経を上げられ、参拝された50人ほどの方が順にお焼香されました そのあと住職からの法話がありました 常楽寺は役行者(えんのぎょうじゃ)が自ら刻んだ薬師如来を起源として祀られているそうで、曹洞宗の寺院です (写真は役行者像と薬師如来についての石碑) [![愛宕大権現の地蔵盆size320](images/oz00216/T_00216610_030001.jpg)](images/oz00216/T_00216610_030001.jpg) この愛宕大権現は、旧穂積村の四島(4つの集落)が交替でお世話をしていて、毎月掃除や供花の交換をされているそうです 【愛宕さんとお地蔵さまについて】 京都の愛宕山にある愛宕神社は神道の神社で火伏・防火に霊験のある神社として知られています。「火迺要慎(ひのようじん)」と書かれたお札を台所に貼っておくのは京都の共通の習慣でした 神仏習合(しんぶつしゅうごう)の時代には本殿に本地仏(ほんじぶつ)である勝軍地蔵を祀っていましたが、明治初期の神仏分離令により本地仏は金蔵寺(京都市西京区大原野)に移されました 愛宕大権現では京都の愛宕さんから毎年お札をいただいていたそうですが、30年ほど前からその習慣は途絶えているとのこと いまでも愛宕山のお札をいただいてお祀りしているお地蔵さまは、豊中にもいくつかあります 【神仏習合と本地垂迹(ほんじすいじゃく)について】 仏教が6世紀に日本にもたらされた時、古来の神道とは別の宗教として理解したのでは無く、仏教と神道は本来同じものであり、仏教の仏が主(本地:ほんじ)であり神道の神は本地仏が姿を変えて現れた(垂迹:すいじゃく)という考え方を取りました 愛宕さんの本地仏は地蔵菩薩で、お地蔵さまと愛宕さんとは「本地垂迹」の関係に当たります 仏(ここでは地蔵菩薩)が人々を救うため仮の姿(愛宕神)をとって現れることを権現(ごんげん)といいます

掲載日: 2024-08-29 (C137)