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化粧をするお地蔵さま
豊中の路傍のお地蔵さまの石像に、口紅や眉毛を描いてお化粧を施したものが見られます。 下の写真は三和町1-13(識別番号:G24)のお地蔵さま [![豊中のお地蔵さま 三和町size320](/dbs/images/oz00212/T_00212860_020001.jpg)](/dbs/images/oz00212/T_00212860_020001.jpg) ほかにも、小曽根5-4(識別番号:G09)、千成町3-9(識別番号:G22)も、祠の中を拝見すると石像にお化粧されているのを見ることができ、愛らしい姿をしています。 いずれもお顔の色は石像の自然のままで(白粉は塗らず)、口元と眼、眉毛などに色が入れられている状態です。豊中のお地蔵さまの石像でお化粧をしているものは、北摂アーカイブスに登録している中では上記3例のみで、比較的少ないです。 その一方京都府や滋賀県のお地蔵さまには、もっと厚化粧のお顔を多く見ることができます。 例えば下の写真は京都市の護浄院の境内の祠の中の石像で、顔全体と光背にきれいに彩色されたもの [![お地蔵さま資料 二次利用不可画像size320](/dbs/images/lb00213/A_00213310_020001.jpg)](/dbs/images/lb00213/A_00213310_020001.jpg) 顔に白粉を、光背に白と黒で彩色されたもの [![お地蔵さま資料 二次利用不可画像size320](/dbs/images/lb00213/A_00213310_030001.jpg)](/dbs/images/lb00213/A_00213310_030001.jpg) などが見られます。 京都のお地蔵さまは 「地蔵盆の前に「お化粧」といって、石仏に絵の具などで彩色をしているところも多い」(「京都 地蔵盆の歴史」村上紀夫著 法蔵館 より引用) との記述があり、お化粧は一般的に行われているとのことです。 京都と大阪の間ではどうかというと、 「高槻から茨木に地蔵石仏を化粧して祀る風習がある。淀川沿いの枚方あたりにも地蔵盆に化粧をすることがある。」(「化粧地蔵」鎮谷和夫著 大阪春秋第60号 より引用) とのことですので、この風習は京都から大阪への途中には一部伝えられているようですが、豊中には京都に見られるような石像に彩色する風習は見当たらない状況です。 一方、石仏ではなく木造のお地蔵さまでは、彩色を施した尊像がいくつか見られます。 中桜塚2-2(黄檗宗 瑞輪寺境内 千佛地蔵 識別番号:E01) [![お地蔵さま資料 二次利用不可画像size320](/dbs/images/lb00213/A_00213310_040001.jpg)](/dbs/images/lb00213/A_00213310_040001.jpg) 南桜塚1-12(曹洞宗 東光院(萩の寺) 三体一願地蔵 識別番号:E03) [![豊中のお地蔵さま 南桜塚size320](/dbs/images/oz00210/T_00210330_020001.jpg)](/dbs/images/oz00210/T_00210330_020001.jpg) 大阪と京都、距離は近いようでも民俗的な風習には違いが見られます 北摂アーカイブスの「お地蔵さま」に関するブログの一覧は、こちらをご覧ください https://hokusetsu-archives.jp/cms/ozizousama/blog
掲載日: 2022-02-25 (C137)