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弘法大師由来のお地蔵さま
地蔵盆の日(8月24日)、大阪民俗学研究会代表のT先生、会友のEさんに同行させていただき、大阪市柴島にある法華寺の地蔵菩薩にお参りをさせていただきました。 副住職がご案内してくださり、地蔵堂の中の地蔵菩薩を拝観しました [![大阪市のお地蔵さま 大阪市東淀川区柴島2size320](images/oz00214/W_00214170_010001.jpg)](images/oz00214/W_00214170_010001.jpg) 高さ2メートル近くある大きな石の表面に、線刻で地蔵菩薩が彫られています。前掛けが掛けられており、その上に上半身と光背が見えます。許可をいただき近づいて写真を撮りました。デジタル写真を画像処理(コントラストを強調)すると、線刻が浮かび上がってきました。 [![大阪市のお地蔵さま 大阪市東淀川区柴島2size320](images/oz00214/W_00214170_020001.jpg)](images/oz00214/W_00214170_020001.jpg) 地蔵菩薩の上半身と光背が刻まれ、顔は少し左を向いています。お地蔵さまは六道を駆け巡って人々を救済してくださいますが、救済にもれた人を見かけて振り返り、救いの手をさしのべている姿を表した「見返りの地蔵」の姿だそうです 石像の足元には蓮華座が刻まれているとのことで、前掛けを持ち上げて足元を見せてくださいました [![大阪のお地蔵さま 法華寺 資料size320](images/lb00214/W_00214180_000001.jpg)](images/lb00214/W_00214180_000001.jpg) 《副住職にお話しをお聞きしました》 ・法華寺は当初真言宗の寺として創建されたが、その後変遷があり、現在は曹洞宗の寺院。 ・本尊は釈迦如来であるが、地蔵菩薩、観音菩薩も祀っている。 ・法華寺はもと浄水場のある場所にあった。浄水場を含む広い一帯が寺の敷地であったが、浄水場の建設に伴い大正3(1914)年に現在の場所に移転した。 ・地蔵菩薩石像は自然石に線刻で刻まれたもの。もとは弘法大師が爪で刻んだと言われているが、現在の石像はオリジナルではなく、その後平安時代後期に作り直された二代目の石像である。 ・浄水場となった元の場所から現在の場所へ石像を移動するのに、とても重くて動かすことが出来ず、強い力に耐える綱が必要となったため、多くの女性が髪を寄進して綱を作り、それで引っ張って移動した。 地蔵盆の日に、たいへん歴史と由緒のある、また「見返り」という珍しい姿のお地蔵さまにお参りすることが出来て、幸運でした 法華寺のお地蔵さまのアーカイブページはこちらにあります https://hokusetsu-archives.jp/dbs/page?id=W_00214170 【お地蔵さまブログの全体リストはこちら】 https://hokusetsu-archives.jp/cms/ozizousama/blog
掲載日: 2022-08-27 (C137)